利用者の安全を守る大切な業務

スムーズに見守りを行うコツ「緊急時の対応を知っていれば安心」

安心のまなざし 〜介護施設の見守りガイド〜
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更新日 :2024/04/25

事前に知っておきたい緊急時の対応

いざというときに慌てないために

反応があるかどうか確認する

まずは名前を呼び、反応があるか確認してください。次に取るべき行動が変わってきます。
反応がある場合は他の介護士に助けを求め、対象者の状態を確認できるように体勢を整えます。容態が急変する可能性もあるので、その場を離れず、近くにいる介護士に看護師や医師を呼んでもらいましょう。急変に緊張するかもしれませんが、落ち着いて行動することが大切ですよ。1人で解決しようとせず、他の介護士と協力しながら迅速に対応してくださいね。
反応がない場合は意識レベルを確認し、救急車を呼びながら応急処置を行ってください。腕や手を軽くつまんで反応を見ながら意識レベルを確認しましょう。刺激しても反応がない場合は症状が重い、ということです。一刻も早く救急車で搬送しなければなりません。救急車を要請するときは現在の状況を正確に説明することが重要です。救急隊は「対象者の氏名や年齢」「既往歴「急変に至った経緯」「現在のバイタル」「現在の意識状態」などを質問するので、すぐに答えられるように介護計画書を用意しておきましょう。意識がなかったり、呼吸や脈拍が低下したりしている場合は、救急隊が到着するまで看護師が心肺蘇生を行います。AEDを使用するので、すぐに取り出せるように設置場所を確認しておくといいですよ。

家族に知らせる

救急車の手配と同時に家族にも連絡します。搬送先が決まるまで時間がかかる場合もあるので、搬送先が決まってから家族に知らせてくださいね。救急車を要請しない場合でも、家族への連絡は必要です。体調がいつ、どのように変化したのか、どのようなケガをしたのか詳しく報告します。家族への連絡は現場の介護士が行う場合と主任や相談員が行う場合があるので、どのような対応になっているのか事前に確認しておきましょう。

介護事故報告書を作成する

事故や体調不良で容態が急変した場合、介護事故報告書を作成しなければなりません。介護事故報告書は介護サービスを提供中に発生した事故の詳細を記載した書類で、事故の原因や状況、再発防止策などを記載します。事業所や自治体によって報告書の様式やフローは異なります。

やってはいけないNG対応

介護士が自己判断で投薬してはいけません。「痛みを訴えているから痛み止めを渡そう」と軽率に判断するのは危険です。大きな病気が隠れている可能性もあり、投薬によって発見が遅れることもあります。「痛いから薬をください」といわれても、服用をすすめることはできないので注意してくださいね。
また、容態が急変したときに焦って頭を動かしたり、体をゆすったりする人もいますが、これもやってはいけません。脳の損傷や骨折の原因となったり、状況を悪化させたりするからです。大きな声で呼びかけ、肩を軽く叩いて反応があるかどうか確認しましょう。
嘔吐物や血液がある場合、素手で触ってはいけません。施設内に感染が広がる危険があるからです。マスクや使い捨てのゴム手袋などを着用してから対処するようにしてくださいね。

見守りの強化を検討しているなら要チェック!

導入する前に準備しておきたいこと 導入する前に準備しておきたいこと

ツールを十分に活用するために事前にきちんと準備しておくことが大切ですよ。準備が不足しているとツールを導入しても、「ただ設置しているだけ」になってしまいます。一般的な導入の手順を紹介しているので参考にしてくださいね。