様子を見過ぎない
見守りは監視ではありません。必要以上に見つめたり声をかけたりしないこと。
「危険から守りたい」という気持ちから、ついつい長時間見つめたり、声をかけたりしていませんか?気持ちはわかりますが、これはNG。「見張られている」と不快な思いをさせてしまうだけですよ。
見守りを行う際は、相手の尊厳や自立を守ることも大切です。見守りではなく監視になっていないか、ときどき振り返ってみてくださいね。見守りが監視になってしまうと不快な思いをさせるだけでなく、人間関係にも大きな影響を与えます。行動を制限するのではなく、相手に寄り添う気持ちで見守りましょう。
距離感も大切
見守るときは相手との距離にも気をつけましょう。常に近くにいたり、どこまでもついて行ったりすると監視されているように感じるため、不快に思ってしまうことも……。適切な距離を保つように心がけてくださいね。
介護はできないことをサポートすることです。何でも手助けしてしまうと要介護者の尊厳を守り、自立を支援することはできません。見守りも要介護者の尊厳とプライバシーを守り、自立を支援することが大切だと考えられています。常に至近距離で要介護者を見守るのではなく、利用者が過ごしている空間全体を見守るようにしてくださいね。距離が近過ぎるとかえって見えにくくなってしまいますよ。
プライバシーに配慮する
着替えや入浴、排泄などプライバシーに関わる場面では、相手の尊厳を守るために配慮することも必要です。例えば、排泄介助を行う際に1人で便座に座れるのであれば介護士が介助するのは便座に座るまで、後はトイレの外にいる、といったように相手のプライバシーを守るように行動してくださいね。
意思を尊重する
基本的に、介助する際は要介護者が1人で行うことが困難な動作をサポートしますが、どの程度介助するかは個々に異なります。均一的な介助ではなく、なるべく相手の意思を尊重するようにしてくださいね。
介護施設は利用者の日常生活をサポートするのはもちろんですが、能力の維持・向上を支援する場所でもあります。もし「自分のことは自分でやりたい」と思っているのであれば、介護士はすべてサポートするのではなく事故が起きないように見守りだけに徹するなど、相手の意思を優先してくださいね。
個々の特性が異なるように、日常生活でできることや苦手なこと、その程度も1人ひとり異なります。1人ひとりの特性を理解し寄り添いながら、それぞれに適した見守りを行うようにしましょう。