1人ひとりの特性を理解しよう
まずは利用者の日常生活動作能力を把握することからはじめましょう。日常生活動作能力は、日常生活を自立して行うために必要な基本的な動作や能力のことです。歩行が困難な人、立ち上がることが困難な人、入浴が困難な人、排泄が困難な人、自力で食事をするのが困難な人、といったように状態はそれぞれ違いますよね。利用者の状態によって必要な介助も異なります。どのような動作に、どのような目的で、どのような見守りが必要なのか、1人ひとりの特性を理解して適切に対応することが大切なんです。
例えば、ベッドから起き上がるときにふらついてしまうが、センサーや移乗ロボットによる介助があれば安全にベッドの乗り降りができる、というようなことですね。
利用者の行動や動作を予測しよう
利用者の多くは高齢者です。ちょっとした転倒でも大ケガにつながり、寝たきりになってしまう可能性があるので、このような事態を避けるためにも利用者の行動や動作を予測しながら見守ることが重要なんです。利用者が行動してから対応すると間に合わない可能性もあるので気をつけてくださいね。場合によっては対応が間に合わず、手を差し伸べる前に倒れてしまうこともあります。ですが、日頃から「立ち上がる前に落ち着かない様子がある」「活動的になる時間を把握している」「トイレのタイミングがわかる」「来客時に立ち上がることが多い」など、利用者の癖や動作の特徴を捉えていれば、行動を予測して早めに対応できますよ。普段からよく観察しておきましょう。
他にも、歩行時はふらつきやすい方向を予測してそちら側に立つ、早食いで誤嚥しやすい人にはゆっくり食べるように声をかける、など、どんな場面でも予測して行動することができれば、事故を未然に防げます。
事故や急変時の対応を知っておこう
事故や容態急変に備えて、事故や急変時の対応を事前に把握し準備しておくといいですよ。事故や急変時に迅速かつ冷静に対応できるように、施設内のガイドラインや連絡の流れを整備し、実際の場面を想定した研修やシミュレーションを定期的に行うようにしましょう。「事故や急変の現場で何をすべきか?」「誰に協力を求めるべきか?」「事後報告はどうすべきか?」などを確認しておいてくださいね。
スタッフ同士の情報共有も大切
より安全な見守りを実践するためにはスタッフ間で情報を共有することも大切ですよ。スタッフ全員で声をかけ合いながら、利用者を見守っていきましょう!